2005年10月19日

客観的事実と信仰 06

 祈願等で果たして願いが叶うのか。

 どれだけ必死に祈っても、ティッシュペーパー1枚でも動かせる方は稀でしょう。

 また日頃疎遠な方から連絡が入るようにと祈ってみても、まずこれも叶うことは稀でしょう。

 このようなことができる、人並みはずれた能力(通力)がある方は非常にうらやましいですが、ほとんどの方はまず無理だと思います。

 ブッダもこのようなことができるとは言っておられませんね。^^

佐倉哲氏のエッセイ集、無我の思想、--- 第二章 ブッダの沈黙 ---より以下抜粋引用。

 神々への祈願や呪文、犠牲や祭祀、運命判断、胡麻たき、まじないなど、すべて神秘的な力に預かろうとする宗教的行為は、原始仏典の中ではことごとく否定されています。

 たとえば、ここに一人の人があって、深き湖の水の中に大きな石を投じたとするがよい。そのとき、そこに大勢の人々が集まり来たって、「大石よ、浮かびいでよ。浮かび上がって、陸に上れ」、と祈願し、合掌して、湖のまわりを回ったとするならば、汝はいかに思うか。その大いなる石は、大勢の人々の祈祷合掌の力によって、浮かびいでて陸にあがるであろうか。・・・

 たとえば、ここに一人の人があって、深き湖の水の中に、油のつぼを投じたとするがよい。そして、つぼは割れ、油は水の面に浮いたとするがよい。そのとき、大勢の人々が集まり来て、「油よ沈め、油よ沈め、なんじ油よ、水の底に下れ」、と祈りをなし、合掌して、湖の回りを回ったとするならば、なんじはいかに思うか。その油は、人々の合掌祈祷の力によって、沈むであろうか。

(相応部経典42.6 増谷文雄訳)

−−−−−引用終わり−−−−−



 このように祈ったりするだけで、願い事が叶うなんてことはあり得ません。

 じゃ、何かに祈ったり願ったりすることは無意味かといえば、もちろんそんなことはありません。

 軒ちゃんのブログ、「功徳比較論特別講義」カテゴリーの『功徳と罰が生じる仕組み』で、「予言(予測)の自己実現」と書かれておりますように、「自己成就的予言(self-fulfilling prophecy)とは、最初の誤った状況の規定が新しい行動を呼び起こし、その行動が当初の誤った考えを真実なものとすることである」とのことです。

 また「予言の自己実現」について、入江幸男さんのホームページに非常に参考になることが載っていた。

 第二回講義  §2 予言の自己実現を読んでもらうとよく分かると思いますが、『 マートンはこの予言の自己成就のメカニズムを一般的に次のように説明する。
「この寓話がわれわれに教えるところは、世間の人々の状況規定(予言または予測)がその状況の構成部分となり、かくしてその後における状況の発展に影響を与えるということである。これは、人間界特有のことで、人間の手の加わらない自然界ではみられない。ハレー彗星の循環がどんなふうに予測されようと、その軌道には何の影響も及ぼさない。しかし、ミリングヴィルの銀行が支払い不能になったという噂は、実際の結果に影響を与えたのである。つまり、破産の予言が成就されたのである。」』
の、”これは、人間界特有のことで、人間の手の加わらない自然界ではみられない。ハレー彗星の循環がどんなふうに予測されようと、その軌道には何の影響も及ぼさない。と述べられ、これが先に書いた『ティッシュペーパー1枚でも動かせない』に当たる部分だと思われますが、願い事が叶う(予言の自己実現)のは、人間界特有のことであって、人間の手の加わらない自然界には何も影響を与えないということです。

 このように、人間界特有の事柄に対し、願い・祈り(心理作用)が何の役にも立たないと切り捨てることや、また、人間の手の加わらない自然界の事柄まで、願い・祈り(心理作用)で変えられると信じてしまうことは、大きな誤りであると思います。
posted by わめ at 04:45| Comment(1) | TrackBack(0) | 客観的事実と信仰  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by コメントリンク at 2005年11月01日 02:02
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