2006年08月20日

暫定真理と専門書

 熱力学の第二法則、一般相対性理論、万有引力の法則などは、暫定真理(反証可能性があり、反証・反駁に耐えている仮説)と私は呼ぶのですが、ブッダの縁起説も、その説のすべてではないかもしれませんが、暫定真理と呼べると思います。

 これら暫定真理は、直接的には一般相対性理論はともかく、知っていたほうが時と場合により役立つことがあると思います。
 間接的にはほとんどの暫定真理は、ある条件内であれば結果が予測でき、あらゆる分野で生かされ、私たちの生活に役立ってくれているといえるでしょう。

 これらそれぞれの暫定真理とは何かを知る方法として、専門書などを読むことや、現在ではネットで検索エンジンを使うことでもある程度は知ることができるでしょう。

 ブッダの縁起説も、仏教においては苦からの解放や、解脱・涅槃(寂静)などの心理状態に導く教えに活かされているようです。

 このことで注意すべきは、仏教からブッダの縁起説を切り離すことはできませんが、ブッダの縁起説は暫定真理として、仏教と切り離すことができるということです。

  
 私は、解脱・涅槃などの状態になりたいとは思っておりませんから仏教徒ではないのですが、暫定真理の中でも、ブッダの縁起説を知ることにより、よい意味で私は多大な影響を受けました。

 中には勿論、ブッダの縁起説を知る・理解するでは物足りない方もおられるのでしょうが、そこから先は個人の主観的領域に入ってしまいそうで、私には過去の経験からその危険性を感じますし、またそこから先にそれほどの価値を見出すことはできませんので、あくまで客観的領域での理解で十分だと思っております。

 ただ、私が何か普遍的可能性のあることを発見したとするならば、確証を得るために自らが実験台になることも厭わないとは思いますが。^^

 ここで少し話を戻して、「ブッダの縁起説は暫定真理として、仏教と切り離すことができる」ということについて、もう少し詳しく述べてみたいと思います。

 仏教とは、苦からの解放や、解脱・涅槃(寂静)などの状態に導く教えでありますが、それは突き詰めれば、暫定真理(ブッダの縁起説等)を理解することであると思います。

 仏教は例えれば、彼岸の岸に渡る(解脱・悟り、私的にはブッダの縁起説等を理解)ための教えとなると思うのですが、彼岸の岸に渡るには、筏のような川を渡る道具が必要であり、彼岸の岸に渡れたらその筏は必要のないものだと説かれてもいます。
 この筏という道具とは仏教を指すのではないかと思うのですが、筏というこの道具の扱い方には注意が示されています。

『比丘たちよ、かくも清らかで明瞭なこの見解でさえ、あなた方がこれにしがみつき、玩び、宝物のように扱い、執着するならば、あなた方は、われわれの教えが筏に似たものであることを理解していないのだ。筏は流れを横切っていくためにあるのであって、しがみつくためにあるのではない。』ブッダと「汎批判的合理主義」(小河原誠) とのように、かくも清らかで明瞭なこの見解(仏教)とは筏に似たものであり、それは流れを横切っていく(彼岸の岸に渡る)ためにあるのであって、「しがみつき、玩び、宝物のように扱い、執着する」ようなものではないと戒めています。

 また「比丘たちよ、教え(法)とは筏のようなものであると知るとき、なんじらはたとえ善き教え(法)でも捨て去るべきである。悪しきものならばなおさらのことである。 (マッジマ・ニカーヤ 22)」と、ここでは「善き教え(法)でも捨て去るべきである。」と言われておりますが、この善き教えとはブッダの教え(仏教)であり、その教えの指し示すもの(ブッダの縁起説)が理解できれば、善き教え(仏教)でさえも筏のように捨て去るべきであると言われているようです。

 例えれば、専門書は、仏壇に祀って拝んだり、遊び道具にしたり、金庫にしまったり、四六時中気になって仕方ない状態では役に立たない。専門書は読んで学び理解・納得できれば捨て去るべきものといったところでしょうか。

 でも捨て去るとは、実際にポイすることではなく、理解できれば、そこからは自分の足で歩め、もう専門書に頼るな、専門書に固執するな、との受け取め方がよりしっくりくるように思います。

 このような私の仏教理解は、もしかしたら(もしかしなくても?)かなり突飛なのかもしれません。汗

 これでは苦からの解放も解脱も涅槃(寂静)も得られないじゃないかとのご批判の声が聞こえてきそうですが、そのような方には、ブッダの縁起説をしっかり理解し、肩の力を抜いて、深い溜息のひとつでもついてみてもらいたいです。

 もしかしたらもう既に、苦からの解放も解脱も涅槃(寂静)も得られているのかもしれませんよ?^^
posted by わめ at 10:23| Comment(0) | TrackBack(0) | essay | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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